アレルギーの正体は?ストレス原因説

ぜんそくやアトピー性皮膚炎などは原因がわからないアレルギー性の疾患だと言われていますが、実はこうしたアレルギー症状は過度のストレスがかかった時に、私たちを生命の危機から守ってくれる防御反応だという説が有ります。「え!あのやっかいなアレルギー症状が、ストレスから私を守ってくれている?それがアレルギーの本当の原因?」そんな風に言われても中々ピンと来なかったり納得がいかなかったりするかもしれません。免疫学の大家である安保徹先生(新潟大学名誉教授)の福田ー安保理論では、ストレスとアレルギーについてストレスが根本的な原因になっている事について一般向けの著書も出され分かりやすい説明をしてくれています。今回はその理論も参考にしながら、ストレスがどんな風にアレルギーに関わっているのか、その原因と成り立ちについて考えてみましょう。

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ストレス反応はアレルギーの根本的な原因?

ストレスを受けると私たちの体内ではそのストレスに反応して体は防御反応を起こします。例えば「受験生がテストの直前に緊張して下痢をした。」「スポーツ選手が試合の前に吐いた。下痢をした。」などという話をよく聞くと思います。私も高校の時に陸上競技をやっていたので、試合前のウォーミングアップをしている時間にスタートラインに立つ事を考えるだけでお腹が痛くなってきた事を思い出します。あれはなんとも言えない緊張感でしたね〜。でも人間そうした過度のストレスを受けると自律神経のバランスを取ろうとします。

自律神経は交感神経と副交感神経のバランスの上に成り立っていますが、ストレスで緊張状態が続くと、交感神経優位の状態になります。血管が収縮し、血行が悪くなり心臓がドキドキします。また猫は怒ると「ファー」と毛を逆立て、敵を威嚇しますが、人間もストレスを受けると全身の毛が逆立て敵に立ち向かいます。しかしながら、自律神経は一方が興奮するとバランスを取ろうともう一方が反射的に興奮します。

それが副交感神経反射で、過度の緊張状態から身を守るために反射的に下痢が起きるのも、まさにこの反射が起きているのです。

他にもこの副交感神経反射によって起こる身体症状に、過敏性大腸炎、ぜんそく発作、アトピー性皮膚炎、アレルギー鼻炎、蕁麻疹などのアレルギー症状があり、福田ー安保理論ではこうしたアレルギー症状はストレスが引き金となりこの副交感神経反射が原因で起きていると説明しています。

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免疫系のストレス反応とアレルギー

現代社会ではジュラッシックパークの様に恐ろしい恐竜に食われたりするような、直接生命の危機に結びつくようなストレスは少ないかもしれません。しかしながら、中間管理職のお父さんは会社で上司からは嫌味を言われ、部下は働かないストレスを。お母さんは姑と上手くいかなかったり、子供が反抗期で非行に走っている等のストレスを。子供は受験で、偏差値で全ての評価をされ勉強をする事を周囲に強要されるストレスを。それぞれ感じているかもしれません。

そうやってストレスを常時感じていると、交感神経が緊張し心臓の拍動が早くなり、心身ともに疲弊します。そうなると中年期に達する前に心筋梗塞を起こしてしまう危険があります。体の方はそうなっては困ると、逆に今度は副交感神経を反射的に緊張させます。副交感神経反射が起きるとアセチルコリンが分泌されます。アセチルコリンは胸がジーンとしたり、目がウルウルしたり、感動するなどの安らぎホルモンです。

しかしながら、副交感神経反射も度が過ぎると腸の蠕動運動が促進され、下痢をしたり、鼻水が出たり、嘔吐感や息苦しさが出てきます。元々こうした副交感神経反射はストレスから私たちを守るための防御反応ではありますが、長期に渡ると喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎等のアレルギー症状の原因となります。

アレルギーに深くかかわる免疫細胞のバランス

体内に侵入した細菌やウィルス、或いは腸管の透過性が増加し腸管から漏出した未消化のたんぱく質を排除する働きをする白血球には様々な種類があるが、その中心的な役割を果たしているのが、顆粒球中の好中球とリンパ球です。

ストレスはこの顆粒球とリンパ球の比率が変化させ、アレルギー発症の原因とも関わっています。福田ー安保理論ではストレスがかかり、交感神経優位になると白血球中の顆粒球が増え。副交感神経優位になるとリンパ球が増えると説明しています。免疫はこの顆粒球とリンパ球の比率がおおよそ6:4のバランスに維持され、このバランスが崩れると免疫力が低下したり、ガンやアレルギーにかかりやすくなるそうです。

例えば緊張状続で交感神経が優位な状況が続くと、血管が収縮し、血行が悪くなり組織に必要な栄養や酸素が運ばれず、不要な物質の回収も十分に行われなくなります。例えば血行が悪くなり滞った血液は以下のように赤血球がコインがつながったような連銭状態になります。

東 博美_2013.11.24_L003

また福田―安保理論では顆粒球が増える原因に食生活については触れていませんが、個人的に実験したりいくつかの論文の報告を見る限りにおいては加熱食やタンパク質を多く食べるとローフードを食べた時よりも、白血球数が増えます。その理由の一つとして、腸管から未消化のタンパク質が血中に漏出するリーキーガットがあると、その後処理は顆粒球がします。つまり血液を汚すような食事は顆粒球を増やすのです。

以下の画像は血液中に漏出した小麦タンパクに、白血球が遊走してきて処理している様子です。血液中にこのようなごみがまき散らされると、顆粒球は大忙し。免疫は大混乱でしょうね。リーキーガットはアレルギーをはじめとした様々の疾患の原因になると言われています。心理的なストレスに加えて、このような食生活をしているとどんどん顆粒球が増えそうですね!

谷 智子_2013.12.16_L112

ストレスで顆粒球が増えると何が問題なの?

ストレスでアドレナリンが沢山分泌されると、顆粒球の表面にはアドレナリンのレセプターが有るので、顆粒球が増えます。顆粒球が細菌や血液中のゴミを処理するときにはリゾチームを吹きかけ貪食し、活性酸素で殺菌します。そして顆粒球が死ぬときに放出する活性酸素によって周囲の組織まで破壊されてしまいます。体内の活性酸素の約7割は顆粒球中の好中球から出ていると言われています。

顆粒球増多は活性酸素の過剰産生につながり、過剰な活性酸素は組織の粘膜やタンパク質、DNAを傷つけ、心疾患や悪性腫瘍につながっていきます。それに加えて好中球が増えている時には、体内のガン細胞を処理するリンパ球も減っている状態です。

顆粒球は増えすぎると、雑菌や常在菌の多い肺や胃や腸等に移動して活動すると、言われていますが、腸管などに移動して活性酸素をまき散らすと、腸管の粘膜を破壊し、透過性が増大するリーキーガットの症状がさらに増加するようになるでしょう。そうするとますます血液中に未消化のタンパク質が漏出するので、アレルギー症状がひどくなっていく原因になるでしょう。

ストレス→アドレナリン過剰分泌→顆粒球(好中球)増加→活性酸素の発生→腸管の粘膜の破壊→リーキーガット症候群→未消化のタンパク質が血中に漏出→顆粒球(好中球)増加→交差反応で抗体が作られる→アレルギー症状が増悪

ストレスとアレルギーはこんな風にお互いに絡み合うような関係になっています。こうやって改めて矢印で結んでみるとやっぱりストレスはアレルギーのとても大きな原因な一つなんだなと思いませんか?

酸化ストレス、アレルギーで見られる血液像の変化

それから白血球が増加して顆粒球が増え活性酸素(酸化ストレス)が発生すると血液像にはどんな変化が見られるのか?についてご紹介します。以下は指先から1滴血液を採取してそれを凝固させた観察する凝固血液観察です。

顆粒球の増多がなく酸化ストレスがかかっていない血液像には、白く抜けている部分が観察されません。しかしながら、ストレスがかかり顆粒球の増多症が起こり酸化ストレスがかかると白く抜けている重合タンパク液溜(PPP’S)と呼ばれる部分が観察されるようになります。ステージⅠでは点状に抜けている程度。ステージⅡ、Ⅲ、Ⅳと顆粒球の増多症で酸化ストレスを多く受けているほど白い部分が段々と多くなって行きます。そしてステージⅣでは白と赤が逆転するくらいになってしまいます。こうなるとかなり体調も悪いかもしれません。

但しステージⅠだったら問題ないのか?という訳ではなく、このステージⅠの画像のように、細かく点状に抜けているような像が有る場合には、アドレナリン・ストレス、精神的肉体的な疲労、睡眠不足、睡眠障害などの可能性や、食物アレルギーや食品に対する寛容性の低下、腸の過敏症などの可能性を示唆しています。

正常な凝固血液観察像

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ステージⅠ

白く点状に抜けた部分が粉吹雪のように観察されます。精神的なストレスやそれが原因のアレルギー等がある時に見られます。

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ステージⅡ

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ステージⅢ

関屋 楓8

ステージⅣ

まだここまで酸化ストレスを受けている人を医院では観察したことは有りません。ここまで酸化ストレスを受けていると、歩いては来れないかもしれないですね。

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アレルギーを起こしやすい体質は?

安保先生は体質によって活動型の交感神経優位タイプと、ゆったり型の副交感神経優位タイプに分類しています。白血球の種類は、活動型では顆粒球が多く、ゆったり型の人はリンパ球が多くなっています。但し、ゆったり型の人でも精神的ストレスがあると、自立神経のレベルは変化します。時間帯によっても変化します。

歯学部に在籍していた時に割とゆっくり、おっとり落ち着いた友人がいましたが、実習でランセットを使い耳から採血する段になると、決まって気分が悪くなり倒れていました。もちろん耳からの採血なんてほんの一滴なので、これは出血性のショックでは有りません。今考えると、彼女は副交感神経優位の体質で、ストレスを受けて普通なら交感神経緊張で対応するはずが、副交感神経反射=驚き反射が起こしていたということでしょう。

アレルギーは基本的に副交感神経優位なタイプの人が起こしやすい、リンパ球の過剰反応ですが、アレルギー発症の引き金はストレスで最初は顆粒球増多が原因で始まることが、安保先生の研究で明らかにされています。

つまりアレルギー疾患の発症は、「過剰副交感神経優位体質の基盤をもつ人が、精神或いは身体的ストレスを受けてそれが原因になって発症する」というのが、アレルギー発症の基本的なメカニズムです。

アレルギー疾患が子供に多い理由

顆粒球とリンパ球の比率は年齢と共に変化する。人は誕生すると出生時のストレスで顆粒球増多の状態になりますが、これは数日で消失して、15〜20歳くらいまでは顆粒球よりリンパ球が多いパターンが続きます。しかしながら、この時期を過ぎると顆粒球がリンパ球よりも多い成人のパターンになって一生を終えます。

子供時代に見られるリンパ球優位のパターンは生理的な現象です。ただ、リンパ球優位の副交感神経優位のパターンになっているからといって、全ての子供がそれが原因でアレルギーを発症するかというとそんなことはなく、なんらかのストレスが原因となって初めてアレルギーを誘発するようになるそうです。

そのストレスの具体的な原因として安保先生は次の5つを挙げています。

1、肥満

2、運動不足

3、過保護

4、排気ガスの吸入

5、有機溶剤の吸入

個人的にはこの5つに加えて、リーキーガットを起こすような食生活を6つ目にあげたいと思います。

まとめ

人は生きている中で様々なストレスを受けています。リンパ球優位の副交感神経優位タイプの人がストレスを受けるとそのストレスから身を守ろうと、副交感神経反射という防御反応が起こります。これは体が長期間に渡りストレスにさらされると命の危険性があるので、そこから身を守って起こる反射です。但しストレスが慢性化するとその反射も限度を超え、アトピーや喘息などのアレルギー疾患の原因になる事が有ります。このようにアレルギー疾患の原因と対処は、ストレス管理無くして考える事は出来ません。病は気からっていうけど、アレルギーに関してもまさにその通りだなと、思いませんか?

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