シンプルな指しゃぶりをやめさせる方法(エリクソンの症例から)

こんにちは!昨日は秋山弁護士のお話しをまた聴きに行ってきました。秋山先生は原稿を用意されてお話し下さるというよりは、直感に従ってその場にいる人に必要な情報を話して下さいます。また具体的な比喩の例え話も混ぜ込んで話して下さるのでとても分かりやすかったです。

シンプルな指しゃぶりをやめさせる方法をお知りになりたい方は、ミルトン・エリクソン流の指しゃぶりをやめさせる方法からお読み下さいませ。

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とても効果的に使われた比喩の例

さて昨日の話を聞いていて今の私にとてもヒットしたお話しが有りました。それは、秋山先生が司法試験を受けようと決めたきっかけになったお話しです。秋山弁護士は元々理系のご出身でしたが、ある時突然司法試験を受けようと思い立ったそうです。(突然そんな事思い立っちゃうなんて本当にすごいですが・・)

それで、当時高校の同級生の方で既に司法試験を受けられた方がいらしたので、その方に司法試験について聞いてみたそうです。そうしたらその友人は法律は外国語みたいなものだから、理系とか文系とか関係ないんじゃない?挑戦してみたら?と、とても気楽な感じのアドバイスをくれたそうです。

それを聞いて秋山先生は「よ~し、それなら!」と、一念発起してその後司法試験に挑んでいく事になったそうです。私はこれを聞いた時に言葉のイメージや比喩って本当にすごい!と、関心しました。もしかして、秋山先生は英語などの外国語が得意だったのかもしれません。そして「その友人はそれを知っていて法律=外国語という比喩の例えを使ったのか?だとしたら、この友人はミルトンエリクソンみたいな才能な持ち主だな~。」等と思いました。

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まあ、そこは置いておくとしても、ロキサーナ女史のミルトン・エリクソンの催眠療法のコースを受けて以来、「言葉や比喩の例え話の力がいかに大きいことか。」「時にはその人の人生を大きく変容させるパワーを持つ。」と、学んでいましたが、この秋山弁護士の話を聞いて改めて言葉や比喩の持つパワーに畏敬の念を感じました。

それと同時に普段何気なく話している自分の言葉や比喩の例え話も時に、「良くも悪くも」大きな影響力を持ってしまう可能性が有る事を認識しました。そして今までの自分の勇気くじきの発言にも反省・・。(汗)

比喩の例え話が効果を上げるための条件

この様に言葉や比喩の例えには時には、人を変容させるような大きなパワーがある事は間違いないと思います。それでは効果的にその人を勇気づけ行動の原動力となる方向に比喩の例を使うにはどうしたら良いのか?

それはやはり相手の立場を受容したうえで比喩の例を使う事が大切なポイントであると、ミルトン・エリクソンも言っています。「ミルトン・エリクソン心理療法」の中にこんな症例が紹介されています。

受容こそ相手の心を開く鍵(少年のチックをやめさせる方法)

「症例「ウエッ」を繰り返した少年

ウィリアムは7歳の少年で、反復的なチックがあった。一日中、一分に一度、「ウエッ」と聞こえる音を発するのである。両親も教師たちもこの頑固に続くこの行動に悩まされなんとか、やめさせる方法はないかと探していた。彼がこのような音を発する理由を、誰もが知りたいと思っていた。(ここを読んでウエッと無く、比喩の例えとして使える動物っているかな?と考えました。)

助けを求められて往診したエリクソンは、医療上の指示として、この往診中は自室に行き、一分に一度だけでなく二度「ウエッ」という音を出すようにと、ウィリアムに指示した。ウィリアムは、部屋から出ていいと言われるまで、これをし続けなければならなかった。ウィリアムは最初こそ抵抗したが、結局、一分間に二度、「ウエッ」という音を出すことにした。丸一日その音を出す練習をしたあと、彼はちゃんと時計を見るように言われた。というのも、一分間に二度「ウエッ」という音を出さなければ、自室に追いやられることになったからだ。

翌日は、一分間に3度、その次には4度となった。エリクソンはこのルーティンについて、彼の行動を調べて研究するために必要な正当なものだと説明した。ウィリアムを安心させる為には、なぜ彼が「ウエッ」という音を出すのか、その理由を理解するのがとても大切だといった。

少年は、自分の行動の研究にこんなに長い時間が必要だなんて、先生はものすごく馬鹿なんだと思った。一週間たたないうちに、ウィリアムはこの習慣行動を抑えられるようになり、もう2度と繰り返す気はなかった。数年後両親から、ウィリアムは「ウエッ」という音を出さないようになっただけでなく、その他の総合的症状もなくなって、再発もないとの連絡があった。」

エリクソンは「ウエッ」という音声チックを繰り返す少年に、それを止めさせるどころか、更に行動を奨励する事によって癒しに向かって前進させています。そうしたエリクソンの指導の裏には「あなたはありのままの自分になることができるし、そうなるべきだ」という暗黙のメッセージが有るのです。

これを読んで本当に素晴らしい!と、思いました。相手をありのままに認めるってこういう事何ですね!少年の行為を受容する=その行為をやめさせる方法となったのですね。

それでこれを読んで家に帰ってからは私の抱える症例にも、この症例の方法を使ってみました。

受容こそ相手の心を開く鍵(習癖をやめさせる方法:我が家の症例)

その少年は10歳ですが、先ほどのウィリアムと同じように「ウィーとかウィウィウィー」と連続して音を出す音声チックが有ります。学校での様子は聞いた事は有りませんが、両親はこの行動に悩まされ、そんな変な声を出すのは「止めなさい」と事あるごとに注意して何とかやめさせる方法は無いかと模索していましたが、注意すればするほどその頻度は上がっていました。

困り果てた挙句にエリクソンの本で先の症例の話を聞いた両親は、ある日その少年にどっちが「ウィウィウィー」を連続して数多く言えるか競争しようと持ちかけました。その結果母は200回。少年は最後は顔を真っ赤にしながら、500回も「ウィウィウィー」を言い続けました。今度は父の番になりましたが、少年は父の声の出し方にダメ出しをしました。「息を吸いながら出さないとだめだ。」と、少年は技術指導をしていました。

それでも、ちゃんと声を出せるようにならなかった父は、結局競技失格。途中棄権で、少年はめでたくチャンピオンになりました。現在、その他の症状に対する競技を続けていますので、総合的な結果がどうなるのかまだはっきりはしていませんが実はこうして少し取り組んだだけでも音声チックはかなり減少しています。「止めなさい。止めなさい。」と行為を否定して、やめさせる方法を模索しても全然効果ないのに、行為を受容した途端頻度が減少するとは本当に不思議です。今後の経過は、また次の機会にご報告いたします。

それから、この「ウィウィウィー」っていう言葉のイメージにぴったり合った比喩のたとえ話なども探してみようと思います。

ミルトン・エリクソン流の指しゃぶりをやめさせる方法

猫指しゃぶり

ミルトンエリクソンのこのチックの少年の治療例を読んで、これは指しゃぶりをやめさせる方法としても応用できるなと思いました。それで、親指しゃぶりのケースだったら、親指だけをしゃぶるのは不公平だから人差し指、中指、人差し指、小指と順番に指しゃぶりを奨励し、その後は2本、3本、4本、5本の指をいれて指しゃぶりをやめさせる方法を試したら良いかな?と考えていました。

その後検索してみたらエリクソンも同じ様にして、実際に治療したケースが有ると知りました。これを知った時にはちょっと嬉しかったです。

ミルトンエリクソンの指しゃぶりを止めさせる方法

ケース1
「君が正しい良い子なら親指だけじゃなく全部の指を平等にしゃぶってあげなきゃだめだよ。」
「好きなだけしゃぶっていいよ。[6歳の小さな坊や]には指しゃぶりは必要なことなんだ。
でも [7歳の少年は大きすぎる]からしなくなるけどね。」
少年は指しゃぶりを止めました。

そしてもう一つのミルトン・エリクソンの指しゃぶりをやめさせる方法のストーリー

ミルトン・エリクソンの指しゃぶりをやめさせる方法についてもう一つのストーリーについて、2009年にAmerican Journal of Clinical Hypnosisに記載された記事がネットに公開されていたので、一部翻訳してみました。(英語が得意な方は私の翻訳は拙いので、是非原文をお読みくださいませ。)

16歳の女史高校生は両親、先生、同級生、バスの運転手さん、近所の人、ソーシャリスト等すべての人が彼女に指しゃぶりをやめさせる方法を模索していました。また、教会で彼女に指しゃぶりを止めるように無理やり誓わせたりしましたが、ダメだったので、指しゃぶりを止めさせる方法の最後の手段として精神科医のミルトンエリクソンの所にやってきました。

彼女は敬虔なキリスト教信者だったのでそれに基づいた言葉遣いを使って、指しゃぶりを止めさせる方法を模索してくれるように、両親がエリクソンに頼みましたが、エリクソンは両親に「自分の患者だから介入しないでくれ」と、言いました。

彼女は指しゃぶりをしながら、エリクソンの所に無理やり連れてこられました。

エリクソンは、彼女にこう言いました。「君の両親が私に君の指しゃぶりをやめさせる方法を探して欲しいなんて言ってたけどそんな馬鹿げたことはない。君が君の親指を君の口に入れて一体全体何が悪いんだい?私に君の指しゃぶりをやめさせる方法を探せだって?全く、くそバカバカしいね!私は君の指しゃぶりをやめさせる方法なんかに全く興味はないね。むしろ、君がいつ、なぜ指のしゃぶり方を知らない無知な赤ん坊のように指を吸いたくて、仕方がなくなるのかの方に興味があるね。」

「私は君ん家のじじいやばばあを最高にイライラさせるような指しゃぶりの仕方を、もし興味があるようなら君に伝えたいんだけど。たけど君がそれに興味無いって言うんなら、君のことあざけ笑っちゃうな」

エリクソンは「hell地獄」という言葉を効果的に使ってこの敬虔なキリスト教徒の女子高生の興味を引きつけています。そして、彼女の攻撃性に挑戦しています。また彼女をトランス状態にいれて、周囲の人たちを苛立たせるような攻撃的な方法について触れています。

エリクソンは、「夕食後君のお父さんは決まって新聞を端から端までよむけど、毎晩彼のそばに座って思い切り音をたてながら、指しゃぶりを少なくとも20分間以上して、かれをメチャクチャ苛立たせてやったらどうだい。」

「君のお母さんは毎晩食器洗いの前に裁縫室で裁縫をする。今度は彼女のそばに座って思いっきり音を立てながら、指をしゃぶるんだ。少なくとも20分以上ね。彼女の苛立ちも半端じゃ無いだろうね。」

「それから、君の癇に障る先生にも目があうたびに指しゃぶり攻撃をしてご覧よ。」こんな風に彼女にアドバイスしました。その後彼女を退出させ、彼女の両親が診療室に呼ばれ、彼女の指しゃぶりを1ヶ月以内にやめさせる方法を試したいのであれば協力をする事を約束させました。

帰り道彼女は指しゃぶりをしませんでした。それで両親は大変喜んでエリクソンに電話をかけてきましたが、その晩から両親は地獄のような光景を目にしました。

彼女はエリクソンの指示(指しゃぶりをやめさせる方法)に従ったのです。次の日両親は落胆した様子で電話をかけてきました。その後10日間彼女は指しゃぶりを続けました。しかしその後ついに変化が訪れます。彼女が指しゃぶりを開始する時刻が遅くなり、指しゃぶりを止める時間が早くなって、指しゃぶりの持続時間は短くなっていき、とうとう彼女は指しゃぶりをする事を忘れてしまったのです!

4週間もしないうちに、家でも学校でも彼女は指しゃぶりをしなくなりました。そして、ティーンエィジャーらしい活動に興味を持つようになりました。彼女はすべての意味でバランスを取り戻しました。1年後彼女に街で出くわしました。彼女はエリクソンの事を覚えていました。彼をじっくり見て、「私はあなたが好きか嫌いかは分からないけど、でもあなたにとても感謝しているわ!」と、言いました。

そにしてもミルトン・エリクソンの指しゃぶり、音声チック等をやめさせる方法は見事ですね!こうした症状と戦うのでなく、もっとやって良いよと承認し、「あなたはありのままで良いよ。」というメッセージを送る。これは指しゃぶりなどの症状と常に戦ってきた私にとってもとても大きな気づきでした。指しゃぶりは止めさせる方法を模索するのでなく、指しゃぶり自体を受容する。良いですね!

今度指しゃぶりで相談されたら、こんな指しゃぶりをやめさせる方法がある事も伝えてみようと思います。変人だと思われるし、今まで指しゃぶりの装置をやめさせる方法として使っていたので、これで指しゃぶりがやめられるとなると、全く儲からないのでちょっとばかり勇気がいりますけどね(笑)

まとめ

さて、最初の秋山弁護士の人生を変えた法律=外国語の比喩の所に戻りましょう。このように比喩は的確に使えば、相手に変容の機会を与える素晴らしい可能性を持っています。でもそれは相手の立場を受容して理解してありのまま受け入れた上で使うから効果的なのかなと思います。

例えば最後に紹介したミルトン・エリクソンが指しゃぶりをやめさせる方法のストーリーの中でも「hell地獄」を、何らかの比喩の例として挙げていますが、これも彼女が敬虔なクリスチャンだったからこそ効果的な比喩の例として、際だって注意を引くことになったのだと思います。

もしこの少女が敬虔なクリスチャンでなく、日常会話で友人といつも「hell地獄」という言葉を使って会話している様な女子高生だったら、ここまで効果的な比喩の例として注意を引くことにはならなかったかもしれません。

本当に比喩の例え話って凄いですが、これは別に催眠術を使わなくても普段の会話の中で使えます。今後も是非相手を勇気づけるような形で比喩の例え話を使っていけると良いなと思います。

11月22日(日曜日)秋山弁護士の5回シリーズの最後のお話会が開催されます。

ご興味が有る方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか?目から鱗が何枚も落ちるかもしれません。

セミナーでは秋山弁護士がご厚意で焙煎して下さったコーヒーを、シンギングリンの音色と共にいただくことが出来ます。

お申し込みはこちらから↓

http://tabenai.jimdo.com/

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