果物の冤罪を晴らそう②(果物と虫歯菌の活動抑制)

こんにちは

今日も前回の続きで果物が虫歯になるという冤罪を晴らしていきたいと思います。早速ですが、こちらの熊本大学の研究チームが行なったフラボノイドの虫歯予防効果の可能性を調べた論文をご紹介します。(日本でされた実験なので、日本語で書かれたものが有るはずだと思い検索しましたが、なぜか英語で書かれたものしか無かったので、英文を和訳してご紹介します。何かお気づきの点が有りましたら、ご指摘くださいね。)

この実験では次の6つのフラボノイドの虫歯の原因菌ストレプトコッカス・ミュータンスが不溶性のグルカン(歯の表面に付着する歯垢のとっかかりになります。)を形成するときに必要なデキストランスクラーゼという酵素の活性阻害効果について調べています。各フラボノイドの特徴については以下のウィキペディアのサイトをご覧下さい。

クェルセチン

クェルセチン[1](またはクエルセチンケルセチン: quercetin)は、フラボノイドの一種で、配糖体ルチンクエルシトリンなど)または遊離した形で柑橘類タマネギソバをはじめ多くの植物に含まれる。黄色い色素で、古くから染料としても用いられてきた。

ヘスペリジン

ヘスペリジン
(Hesperidin) は、温州みかんはっさくダイダイなどの果皮および薄皮に多く含まれるフラバノン配糖体フラボノイド)である。ポリフェノールの一種。陳皮の主成分。ビタミンPと呼ばれるビタミン様物質の一部。ギリシア神話ニュンペーヘスペリデスから名付けられた。ヘスペリジンは植物の防御に関与していると考えられている。In vitroの実験では抗酸化物質として働く[1]

ルチン

ルチン(Rutin、ルトサイドケルセチン-3-ルチノシドとも)は、薬草などとして用いられていたミカン科ヘンルーダ Ruta graveolensから発見された柑橘フラボノイド配糖体の一種[1]タデ科ソバダイオウ属植物の葉および葉柄アスパラガスなどに含まれている。その他、ブラジルfava d’antaの木の果実、エンジュ英語版の花、果物や果皮(特にオレンジグレープフルーツレモンライムといった柑橘類)、クワの実、トネリコの実、クランベリーといったベリーにも含まれている。化合物名は、単離されたヘンルーダの学名 Ruta graveolensから来ている。

クリシンクリシン

クリシンは天然のフラボノイドでトケイソウから抽出出来ます。蜂の巣にも少量含まれ、ヒラタケ、カモミール、ソリザヤノキ、インディアン・トランペットフラワーなどに含まれることが報告されています。

ヘスペレチン
生体フラボノイドの一種です。ヘスペレチンは構造の一部に糖を持っているので水溶性です。
摂取すると無糖体を放出します。柑橘系の果実に含まれます。

ナリンゲニン
フラボノイドの一種です。ナリンゲニンは体内で健康に寄与する生体活性効果を持ち、抗酸化物質、フリーラジカル・スカベンジャー、抗炎症物質、炭水化物の代謝促進物質、免疫活性物質として働きます。グレープフルーツに多く含まれるフラボノイドです。

今回ご紹介する論文で使われたフラボノイドはいずれも、柑橘系の果実を中心に含まれているものです。それでは和訳がちょっと読みにくいところも有りますが、論文をご紹介します。(論文中の図は省略してあります。情報元のリンク先でご確認ください。)



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フラボノイドは虫歯の予防になるかもしれない
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bbb1961/48/8/48_8_2143/_pdf

Masayoshi Iio, Masaru Uyeda,*
Takefumi Iwanami** and
Yoshikatsu Nakagawa* *
Faculty of Life Sciences,
KumamotoWomen’s University, Kumamoto862, Japan
*Faculty of Pharmaceutical Sciences,
KumamotoUniversity, Kumamoto862, Japan
** Tokyo Research Laboratory,
Calpis Food Industry Co., Ltd.,
Shibuya-ku, Tokyo 150, Japan
Received February 20, 1984

フラボノイドは抗炎症効果、ガン発育抑制効果を含めて、幾つかの興味深い生物学的、生理学的な効果が有ります。様々な情報源より、フラボノイドの酵素の活性に対する作動スペクトラムを得ることが出来ました。文献を研究した過程で、フラボノイドはグリオキサラーぜ、キサンチンオキシダーゼ、α-グルコシダーゼの働きを抑制するという情報を得ました。α-グルコシダーゼについての情報が、糖の代謝に関係する酵素のフラボノイドの効果を示していましたので、今回の研究の目的とも一致していました。我々はターゲットとして、デキストランスクラーゼを選択し、人の口腔内の歯垢の中に常在する多くのストレプトコッカス・ミュータンス菌が付着性のグルカンの形成を阻害し、精製されたデキストランスクラーゼがフラボノイドにより阻害された事を発見しました。

フラボノイドは市場に出ているものを使いました。
クェルセチン、ヘスペリジン、ルチン、クリシン、ヘスペレチン、ナリンゲニンです。ハイドロキシアパタイトの結晶に付着したSM菌より培養分離したデキストリンスクラーゼを使いクェルセチンとナリンゲニンのその活動性に対する影響について調べました。現在の研究ではデキストランスクラーぜはα-1,3リッチの不溶性のグルカン(DS-I)を産生し、一方でα-1,6リッチの水溶性グルカン(DS-S)も産生する事が分かっています。デキストランスクラーゼの活性はソモギとネルソン法で反応液中のショ糖から分解された果糖の量を定量することで計測しました。反応液には、1.0mlあたり0.2Mのリン酸塩緩衝液が含まれ、PH6.0で、1.0ml中に0.5Mのスクロースが含まれ、1.8mlの水と0.2mlの酵素溶解液も加えられました。10mMジメチルスルホキシド中のフラボノイド溶液は0、5、20、40μlの量加えられました。溶液は37°Cで培養されました。この反応は1.0mlの0、2Nの水酸化ナトリウムを加えて終了させました。

表Ⅰを見ていただくと分かる様に、クェルセチンとナリンゲニンは不溶性のグルカン(DS-I)を水溶性のグルカン(DS-S)よりも高い率で抑制しました。フラボノイドによるデキストランスクラーゼのこうした抑制のパターンには実は意味が有ります。DS-Ⅰは不溶性のα-1,3リッチのグルカンですが、付着性のグルカン化合物を形成する上で重要な役割を担っています。一方、DS-Sはその形成後に起こる2次的な反応なのです。DS-Iに対するクェルセチンの抑制反応には、容量ー反応相関は有りませんでした。デキストランスクラーゼの完全な阻害は多くの抑制剤で検査しましたが観察することは出来ませんでした。抑制率は最大でも70%でした。ですからクェルセチンによるDS-Iの抑制は溶液中に15μg溶解させた時の反応がほぼ最大と同程度でした。クェルセチンが今回の実験では最大に強力な抑制剤と考えることが出来、それは低濃度でも効力が有りました。
(中略)

同様にストレプトコッカス・ミュータンス菌の付着性のグルカンの形成抑制効果を試験管の中で実験しました。被験者から採取された歯垢が培地の中で培養され、ショ糖とフラボノイドの混合液を含む培地に移され37℃で培養されました。試験管の表面についた不溶性のグルカンは2Nの水酸化ナトリウムで分解され、フェノール硫酸法により計測されました。実験結果は表の通り示されています。各値は計測を2度行って出した平均値です。

この計測ではクェンセチンは強力にグルカンの形成を阻害しました。ナリンゲニン、ヘスペレチン、クリシンの抑制効果は部分的な抑制効果が見られ、ルチンとヘスペリジンには抑制効果が見られませんでした。この結果はこちらの研究を代表してナンバ先生に加熱したSM菌の株と加工していないデキストランスクラーゼを用意し幾種類かのフラボノイドが同じ様にう蝕予防の可能性を示した実験とともに報告していただきます。お茶のフラボノイドの混合液は加工した飴やガムに混ぜると口臭を抑制することが発見されました。お茶から抽出したフラボノイドの混合液の安全性は発がん性、突然変異原性の点からも確かめられています。それゆえこの様な食品は虫歯予防のもう一つの選択肢として加えられていく可能性が有ります。

(論文翻訳終了)

というわけで、ご紹介した論文ではクェルセチンがポリフェノールの中でも強力な虫歯予防効果が有ると言えそうです。そこで、クェルセチンが虫歯予防に使われているかどうか調べてみました。そうしたらサプリメントとして利用されている商品を発見しました。商品の紹介サイトにも虫歯予防に良いと書いてあります。また、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が良くなるというサイトも発見しました。

でも、何かがおかしいと思いませんか?

何故って、わざわざ単一の成分を抽出してさらにそれを、他のビタミンと一緒に摂取した方が効くと言ってまた別のサプリを加えて服用する。そんな事わざわざしなくてもフルーツ丸ごと美味しくいただけば良いとは思いませんか?果実は神様からの贈り物です。その中には人間に必要な栄養素がぎっしり詰まっています。虫歯予防の成分だってです。

前回から虫歯の犯人であるという冤罪を着せられた果物の弁護をしてきましたが、如何でしょうか?これで果物の冤罪は晴れましたでしょうか?これにて果物裁判虫歯編閉廷ですが、その前に今回の判決文です。

「果物を食べて虫歯予防をしましょう!虫歯のない社会を!」

という訳で虫歯予防は果物がやってくれるので歯科医院の淘汰はますます進みますね。(汗)
次の職考えなくっちゃ(笑)

この裁判結果判例に加えておいてくださいね♪

それでは素敵なフライデー・アフタヌーンをお過ごし下さいね。

クェルセチンサプリのサイトのおまけです♪

(転載開始)

優れた抗菌作用・抗酸化で用途が広がるタマネギ外皮抽出物http://www.e-expo.net/materials/016239/0015/
    

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*その他、化粧品やハンドソープ、日焼け止め製品に使用可能

【効能に対する試験資料が充実】
◎ ミュータンス菌(虫歯・歯周病原因菌)に対する抗菌効果試験
◎ アクネ菌(にきび原因菌)に対する抗菌効果試験
◎ 黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果試験
◎ O-157や大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、セラチア菌への除菌効果試験
◎ 紫外線防御作用試験
◎ 抗酸化活性試験
◎ 急性毒性等安全性に関する各種試験

(転載終了)

こちらのサイトにはクェルセチンとビタミンCを一緒に摂取した方がいい理由について書いてあります。http://www.natumedica.com/free.asp?shopcd=17304&temp=lp/quercetin/index.html

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