果物の冤罪を晴らそう(果物と虫歯♪)①

こんにちは

今日は「果物と虫歯予防」あるいは「果物は虫歯になるか?」という、極めて歯科的な話題について考察してみたいと思います。一般的には、酸蝕症という言葉があるように、果物のPHは低いので、長時間歯を果汁に浸漬しておくとエナメル質は脱灰して溶けてしまいますし、果物は虫歯になると言うのが一般常識になっていると思います。

果物のPHを調べよう
http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/busshitsu/kajitsuPH/index.html

また果物の種類によってどの位歯が溶けやすいかの実験もあり、こちらの論文の概論ではこんな事が書いてあります。


(引用開始)


5種類の違った果物によるエナメル質侵蝕度の違い
http://www.researchgate.net/publication/20517167_The_degree_of_enamel_erosion_by_five_different_kinds_of_fruit

SR グロブラー、PJ セネカル、TJコッツェ
臨床予防歯学11(5)23-8
情報源パブメド

概論
違った種類の酸、酸の比率、その他異なった化学物質の構成物で出来ている異なる種類の果物のエナメル質の酸蝕の度合いを説明しました。この研究の目的は40分間でどの位エナメル質の侵食が異なった果物によって進むかを調べる事です。統計的に優位な違いが、アプリコット、グレープ、グァバ、リンゴ、オレンジの間で観察されました。6分間でのエナメル質の侵食の度合いのおおきさは、アプリコット、グレープ・グアバ、リンゴ・オレンジの順になりました。その後40分作用させると、侵食度合いは大きい順にグレープ、アプリコット、グアバ、リンゴ、オレンジの順になりました。エナメル質の侵食具合は市販のフルーツジュースで実験した時には、生の果実を搾った果汁よりも5~8倍高い侵食具合になりました。エナメル質の侵食度合いは果実によって異なりますが、それは複数の要因、例えば、PH、,量、比率、有機酸の種類やその他の果物の化学成分等によります。

(翻訳終了)

確かに果物のPHは殆どが酸性ですし、永久歯が溶解し始める臨界PHは5.5なので、果汁に長時間浸漬しておけば当然歯は溶解してしまうと思われます。しかしながら、この実験はあくまでも試験管の中での話で、人の口の中では果汁のみに歯が40分いや6分でも浸漬される様な事はまず有り得ません。また実際には唾液で果汁は薄められるでしょうから、PHは早期に上昇するでしょう。また、果物の中にはスチルベン、フラボノイド、プロアントシアニジン等のポリフェノールが含まれていてそれが、虫歯予防を始めとした口腔内の疾患に有効で口腔内の健康に役立つと言う根拠を示した論文も数多く有るのです。

(引用開始)

植物のポリフェノールと口腔内の健康:昔からあるフィトケミカルを新分野で活用
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22376030

Varoni EM, Lodi G, Sardella A, Carrassi A, Iriti M.
Dipartimento di Produzione Vegetale, Universita degli Studi di Milano, Milan, Italy

概論

果実や植物に多く含まれるポリフェノールががん、慢性の退行性病変、炎症性病変から守ってくれるような重要な役割をしているにもかかわらず、口腔内の健康に関してはそれ程重要視されてきませんでした。口腔内の疾患の治療予防にポリフェノールが果たす役割については多くの研究がなされ確かめられてきましたが、それでもそれは試験管内での実験でしたので、生体では同じ結果になるとは言えませんし、動物実験や臨床実験での研究は不足しています。
我々の調べたところによれば、口腔内の健康とポリフェノールについて考察し発表された研究はたった2つでした。しかしながらそれも完全に解明されていない多くのポリフェノールを含んだ混合物で、ホールの植物の抽出物の役割の可能性を考察しているものでは有りませんでした。今回の研究での我々の主な目的は、現在わかっている(1965年1月~2011年3月までの文献調査をしました)口腔の健康に対する植物抽出物のポリフェノールの影響を評価し考察することです。我々は、グレープ、ベリー、お茶、ココア、コーヒー、ぎんばいか、カモミール、ハチミツ/プロポリス、アロエの抽出物と3つの主なポリフェノール(スチルベン、フラボノイド、プロアントシアニジン)についてのデータを得ました。虫歯、歯肉炎、歯周病、カンジダ症、口内炎、口腔粘膜炎、扁平苔癬、白板症、口腔がんに対する効果の調査が有りました。それらのデータは、無作為化臨床検査という観点からは十分な根拠を示していませんでした。しかしながら、口腔内のよく見られる(虫歯、歯周病、カンジダ症)や口腔癌の予防などにも対するポリフェノールの興味深い効果を示した研究で、臨床試験の前段階としては素晴らしい出発ポイントを提供してくれています。

(概論の翻訳終了)

この文献によれば、(本文は有料なのでまだ読んでいませんご了承ください・・・)臨床検査はまだなされてはいないが、基礎研究では果物に含まれるポリフェノールが虫歯、歯周病、カンジダ症、口腔がんなどに効くという結果が出ているということです。と、言うことはやはり果物は虫歯になるどころか、「虫歯を防ぐ成分を含んでいる」と、言えますよね。それでさらに文献調査をした所、ビタミンCの血中濃度が高い人ほど、歯垢がつきにくいというデータを下記の論文で発見しました。果物にはビタミンCが当然多く含まれていますから、「果物摂取でVCの血球濃度が高くなると、歯垢の形成を阻害し虫歯予防になる」という仮説が成り立ちます。

(引用開始)

目に見えない歯ブラシ:どうして歯ブラシをしなくても歯垢が付きにくい人がいるのだろうか?
http://www.doctoryourself.com/toothbrush.html
by E. Cheraskin, M.D., D.M.D.
Park Tower 904/906, 2717 Highland Avenue South, Birmingham, AL 35205-1725.
(Reprinted with permission from the Journal of Orthomolecular Medicine Vol. 8, No. 3, 1993)

(一部抜粋翻訳)

セカンドオピニオン
歯ブラシの頻度と口腔内の衛生状態には統計学上優位な相関関係 (r = -0.265, p <0.01)がありましたが、これでは完全でなく何か他の要因が関わっている可能性を示しました。それで、
ビタミンやミネラルの影響は人間のシステムの全身の臓器や組織の細胞に及んでいますし、それは口腔内も例外では有りません。食事や栄養と口腔内の疾患の感受性とのあいだにはどんな関係があるのでしょうか?言い換えると「ビタミンの状態を変えると口腔内の歯垢の付着状況を変えることが出来るか?」という疑問が湧きます。我々のアスコルビン酸に関しての個人的な経験はかなり多岐に渡ります。それで、この実験の目的は「通常の歯ブラシの習慣を変えずにアスコルビン酸と口腔内の衛生状態にどんな相関関係があるか?」を調べる事です。

図3ではアスコルビン酸の血中濃度のレベルをX軸に取っています。200人の被験者を3つのグループに分けました。68人はアスコルビン酸の血中濃度が0.0-0.4までの最も低いレベルにありました。67人はVCのレベルが0.8-1.3で高い状態に有りました。平均のプラークスコアは縦軸に示してあります。3つの貴重な情報が得られました。

1つめは、アスコルビン酸の血中濃度が最も低いグループのプラークスコアが一番高かった。
2つめは、アスコルビン酸の血中濃度が最も高いグループのプラークスコアが一番低かった。
3つめは、統計的にアスコルビン酸とプラークスコアの関係は優位(r -0.210, p <0.01)で、歯ブラシの頻度と口腔内の衛生状態だけでは不完全であることが明らかになりました。

それゆえにこれらのデータはとても限られているものではありますが、ビタミンCと歯垢の付着の間には歯ブラシの習慣を度外視した場合にも相関関係があることがわかりました。

最近の生態学上の考察
この実験結果の観察は、実際にはまだ一連の仮想の分析では有ります。現実の世界では人々は歯ブラシをするか全くしない、アスコルビン酸を摂取するか全くしないという風に分けることは出来ません。それでトータルのプラークスコアの結果がどの位ブラッシングの頻度もしくはアスコルビン酸の摂取に依存するかを調べてみました。

図4では日々の歯ブラシの頻度を横軸にプラークスコアの平均を縦軸に取っています。加えて、200人の被験者は2つのサブグループの分けられました。100人のアスコルビン酸の血中濃度が0.6mg%以下の低いグループと、0.6mg%以上の高いグループです。何点かの正当性のある推敲です。
低いアスコルビン酸のグループでは明らかに逆の相関関係が見られました。つまり、これはおどくべきことでは有りませんが、歯ブラシの頻度が上がるほど、プラークスコアは低かった。(0.87)これは既に図2に示してあります。統計的にこれは (r = -0.337, p < 0.01)確認されてもいます。一方、興味深いのは比較的良いレベルのアスコルビン酸濃度のグループのデータでは、プラッシングの頻度はそれ程重要では無かったこと事です。統計的な重要性の欠如により強調されました。(r = -0.164, p > 0.05)

図4でプラークスコアとビタミンCの血中濃度とブラッシングの頻度の関係は歯ブラシに加えてアスコルビン酸の濃度が高いと歯ブラシの頻度が高かっただけに比べるとよりプラークスコアが低かったという事が分かります。

これらのことが、ある人たちが他の人に比べて歯ブラシの必要性が低いといういう、よく知られた事実を説明しているかもしれません。

(一部抜粋翻訳終了)

アスコルビン酸の血中濃度が高ければ、ブラッシングの頻度に関わらすプラークスコアが低い!ビタミンCが豊富な果物を食べるとVC濃度が上がると思いますが、それが体の内側から作用して見えない歯ブラシとなっている可能性があるという事です。という事でビタミンCやフラボノイドが豊富な果物が虫歯になるというのは、私は冤罪だと考えています。

果物中に豊富に含まれるフラボノイドが歯垢の形成をどうやって妨げているかの詳細を実験している論文が有ったので、また、次回虫歯の原因になるという無実の罪を着せられている果物の罪を晴らしていきたいと思います。

個人的には私達は類人猿の遺伝子と95%一致しています。ですから、彼らの食性と私たちの食性は同じだと考えています。野生の類人猿には虫歯は有りませんよね。と、なると私達人間も食性に合った食べ物を摂取することで、虫歯が予防できるというように考えるのがとても自然な事だと私は信じています。

「本来の食性を取り戻して虫歯のない社会を!」
おっと、これはどこかのコマーシャルで聞いたことが有りますよね(笑)

それから、食性と虫歯の関係について何かヒントが得られないかと、潜在意識に問合せをしていたところコウモリを調べてみたらどうか?と言う解答を得たので、ネットで検索したらこんな論文が有りました。

蝙蝠の論文

https://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&aq=&oq=why+frugivorous+bats+salivaryPH+and+buffering+capacity+are+lower+than+insectivorous+bats&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4DAJP_jaJP310JP220&q=why+frugivorous+bats+salivaryPH+and+buffering+capacity+are+lower+than+insectivorous+bats&gs_l=hp….0.0.2.5092469………..0.HoB45NDnL3I

この論文では野生のコウモリには果実を主食にする種と食虫性の種が居ますが、これらの唾液のPHと緩衝能を計測しまとめていて、食虫性のコウモリより果実性のコウモリの方が唾液のPH、緩衝能ともに低いというという結果が出されています。またその理由として、「解剖学的に唾液腺の形態や機能が違うんじゃないか?」とか、「果物には有害な菌が虫よりも多くいるために、その殺菌をする為にPHや緩衝能が低い唾液を分泌するように適応してきたんじゃないか?」などという考察がなされています。

個人的にはこれを読んで、恐らく果物のPHが低いので唾液のPHも低くなったが、しかしながら果物中のVCやフラボノイドが虫歯を予防してくれるので、虫歯になることはないのでは無いかと思いました。でも食虫性の人はあまりいないと思うので、コウモリのデータを人間に当てはめる訳には行きませんよね。いずれにしろこの本当の理由については謎です。一体本当の理由は何なんでしょうか?恐らく考えてもわからないので、またまた潜在意識に問い合わせしてみたいと思います。だけど、この理由についてお分かりの方がいらしたら是非私にこっそり教えてくださいね!でも別にこっそりじゃなくても大丈夫でした♪

それから、食虫性で思い出しましたが、食糧危機を救うために虫を食料の供給源にしていこうという考え方が世の中に有る様ですね。でも、どうしてこんな複雑な事を考えなくてはいけないんでしょうか?虫を育てるためには飼料になる植物が要ります。だったら植物を直接人間が食べた方がどう考えてもエネルギー効率的にも、環境的にも良いような気がします。いずれにしろ、虫を主食にするなんて考えたくも無いですね・・。だけど、そうなったらこのコウモリくんたちと同じ様な生理的な変化が私達人間にも起きるのでしょうか?う~ん興味はつきませんね!

(朝日新聞デジタルより転載)

食糧危機克服へ「虫を食べよう」 国連専門機関が報告

 【ローマ=石田博士】人口爆発に対応し、世界の食糧危機を克服するための一手は「虫を食べること」だ――。国連食糧農業機関(FAO、本部ローマ)は15日までに、「昆虫食」の将来性に関する初の報告書をまとめた。

 「食べられる昆虫――食糧安全保障のための未来の資源」と題された報告書は、昆虫を「たんぱく質や脂肪、ビタミン食物繊維などが豊富で、健康的な食用資源」と高く評価した。アジアやアフリカなど、いま世界では20億人以上が虫を食べており、1900種以上が食用とされているという。内訳はカブトムシなどの甲虫(こうちゅう、31%)、イモムシ(18%)、アリやハチ(14%)、バッタやコオロギ(13%)などだ。

 いま食べられている虫はほとんどが野生で捕られたものだが、報告書は虫を育てる「畜虫業」の可能性に言及。虫1キロを得るには平均で2キロのえさで済み、1キロの牛肉を得るのに必要なえさ8キロに対し、4分の1で済むという。

 畜産業は、大豆やトウモロコシなど大量のえさを必要とし、水や広い土地も欠かせない。家畜の呼気に含まれるメタンも、環境破壊の要因と懸念されている。これに対し、「畜虫業」はより環境に優しい産業になる。小規模で経営できるので、新興国貧困層にとっては食糧不足を防ぐだけでなく、家計収入にもなるとみている。

 報告書は課題として、虫を食べる文化のない西洋各国などで「抵抗感」を打ち消す広報や教育の必要性を挙げた。また法整備も必要だと指摘した。衛生環境向上のため、食べ物をつくったり調理したりする場では虫を駆除するよう、多くの国で定められているためだ。

(転載終了)

それでは素敵な木曜日をお過ごし下さいね。


 

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