癌とアレルギーと免疫の奇妙な関係

例えば、タバコ、紫外線や大気汚染などの環境毒にさらされると発がんのリスクが上がるという、環境毒とアレルギーの関係性については良く知られています。でもこうした環境毒は接触性のアレルギーの原因にもなります。しかしながら、興味深い事にあるデンマークの疫学調査によると、こうした環境毒が原因の接触性のアレルギー疾患を持っていると、異なった免疫の働き方をする可能性があり、あるタイプの癌を抑制するという事が分かっています。どうやら癌とアレルギーと免疫の働き方には奇妙な関係がありそうです。

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癌とアレルギーと免疫系の働きの奇妙な関係性についての研究

2011年のタイム誌に癌とアレルギーと免疫系の働きの奇妙な関係性についての研究が紹介されました。その研究はコペンハーゲン大学病院の国立アレルギー研究センターに所属する Kaare Engkilde博士の研究グループの研究です。研究グループは17000人以上の、ニッケルやその他の化学物質に対して接触性アレルギーを持っている成人を対象に癌との関連性についての調査をしました。その結果接触性アレルギーを持っているグループは持っていないグループに比較して癌になる可能性が低いことが分かりました。

Kaare Engkilde博士の研究グループは1984年から2008年の間で、デンマークの国立癌データベースに記録されている患者のアレルギーテストの結果を分析しました。その結果以下の事が分かったそうです。

データベースの患者さんの3分の1は、接触性のアレルギーを調べるパッチテストを行っていました。そのうちパッチテストで接触性アレルギー陽性と診断された患者さんは約38%で、後に良性あるいは悪性の癌に移行したのは、パッチテストを行った全ての患者さんの20%のみでした。

研究グループは接触性アレルギーは癌との関係性において、とても強力な防御因子として働くことを発見しました。接触性アレルギーを持っている人は、、接触性アレルギーを持っていない人よりも、癌に移行しにくかったのです。これらの関係性は乳癌と皮膚癌でより強く見られました。

一見無関係にも見える癌とアレルギーにはどんな関係性が有るのでしょうか?

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癌とアレルギーと免疫の関係

アレルギーが癌に抑制的に働いたケース

「我々には癌を防御する免疫力が生まれつき備わっています。免疫系は細菌やウィルスからから防御するのと同じように癌の兆しが見られると、同じように免疫力を働かせます。アレルギーを持っている人は、ほこり、重金属などに免疫が過剰に反応しますが、同様にアレルギー反応を持っているは癌細胞を排除する時にも免疫が良く働くように準備されているの事に関係しているのではないかと、」研究グループは言っています。

アレルギーを持っている人は持っていない人に比べて癌になりにくくまた、癌の種類も少なかったそうです。Kaare Engkilde博士は、何故このような事が起きるのかについてはっきりした理由や関連性はまだ分かっていませんが、おそらくアレルギーを持っている人の方が、免疫システムがより癌細胞を早期に発見し、癌細胞を排除する能力が高いことが関係しているのではないかと言っています。

さらに、 Kaare Engkilde博士は、今回の接触性のアレルギーと癌との関連性についての研究はほんの始まりに過ぎない。更に接触性アレルギーと癌と免疫との関係性を解明していく必要が有ると言っています。

また今回の研究では乳癌やある種の皮膚癌においては、著明に接触性アレルギーを持っていると防御的に働いたが、これらの癌はよく見られる一般的な癌であるという側面が有ります。ですから、癌とアレルギーと免疫の関係を調べるう1えでは、もっと多くのケースを調べる必要があります。

アレルギーが癌に抑制的に働かなかったケース

膀胱癌に関しては接触アレルギーは抑制的に働いていなかったという結果が出ました。関係性ははっきりは分かりませんが、接触性アレルギーを持っていた人たちは、恐らく理容師などをしていて、通常よりも有害な化学物質に曝されていてそれで膀胱癌などに罹患していたのではないか?と推測されると Kaare Engkilde博士は言っています。しかしながら、接触性アレルギーを持っている人がよりアレルギーの原因になる有害物質を膀胱により蓄積させやすかったのか、膀胱だけ免疫系の働き方が違っていたのかについては、この関係性の結果だけでは分かりません。

また、 Kaare Engkilde博士は、しかしながら、アレルギーの癌と免疫との関係性について他にどのような健康上の優位性が有るかについては分かっていませんので、今後は例えばより寿命が延びるのかどうか等について調べたいとしています。

免疫細胞の働き方はアレルギーと癌では違うのか?

アレルギーに罹患している場合に何故癌が抑制されるかのメカニズムは完全に解明はされていませんが、T1細胞とT2細胞のバランスで考えると良いかもしれません。リンパ球から成熟したT細胞は免疫の根幹とも言われています。この免疫の根幹であるT細胞は胸腺内で、更にTh1細胞とTh2細胞に分化すると言われています。Th1細胞はT細胞を活性化して、殺し屋と言われ癌細胞を飲み込んでしまうキラーT細胞への分化を促進したり、マクロファージの働きを活性化したりします。一方Th2細胞はB細胞や抗原提示細胞と協力して、いってみれば手裏剣みたいな免疫系の武器である抗体の産生を促します。

このTh1細胞とTh2細胞はシーソーの関係にあり、一方が増えると一方が減るという関係性に有ります。元々アレルギー症状を持っているという事は、Th2細胞が多く抗体の産生能が高い、手裏剣攻撃が得意な状況にあるという事です。

2005年の英国皮膚科学ジャーナルに掲載されたWang, Hらの論文によれば、アレルギー体質の人はこのTh2細胞をベースとする免疫応答が過剰に働いているともいえ、その状態にあると癌細胞の繁殖を抗体の手裏剣攻撃が押さえ込んでいるのではないかという事です。

また、2003年のMed Hypotheses誌に掲載されたZacharia, Bらの研究によれば、Th2/IgEシステムは、元々は蠕虫や寄生虫の異常繁殖に対抗するための免疫システムで、これがアレルギーの原因になっているとしています。しかしながら、この免疫システムは様々な発癌物質や感染症から防御するシステムで、体を守っています。つまり、バイオテロや化学兵器から守ってくれているようなイメージです。それで、アレルギー反応が起きていてTh2システムが活発な時には、発癌物質を排出し、癌になってしまうリスクを減らしているという訳です。

この記述を見てやっぱりそうか!免疫システムがTh2に傾いてアレルギー反応が起きているという事は、体に溜まっては困るような発癌物質などを排毒してくれている防御反応なんだな!と、思いました。こう考えると癌とアレルギーと免疫の関係性が見えてきますね。それにしても体ってなんてけなげなんでしょうね~。アレルギーを引き起こす免疫応答で一生懸命発癌物質を排泄してくれているんですから。だから、アレルギー症状を起こすような免疫応答をしている人の方が排毒が出来ているので、癌にかかりにくいという、アレルギーと癌と免疫の関係性って納得が行きますね。

癌と診断された方の血液像

先日腸に癌が有ると診断された患者さんの生体血液像です。因みにこの患者さんにはアレルギー症状が有りません。恐らく免疫細胞のバランスとしては、顆粒球関係の白血球である好中球が多く、リンパ球が少ないので、発癌物質を手裏剣攻撃してくれるTh2のシステムは活発に働いてはいないと思います。ストレスがかかり交感神経が緊張するとアドレナリン等のストレスホルモンが分泌されますが、それに伴ってアドレナリンレセプターを持った顆粒球関係の白血球である好中球が増えると言います。この患者さんの血液像でも免疫細胞のバランスとして好中球が増えていました。

また、赤血球はストレスがかかるとして酸化しイボイボした形になりますが、イボイボの形の赤血球が所々に観察されました。

西浦 美恵子7好中球の凝集

また以下は凝固血液観察ですが、白い部分がとても多くなってきています。この白い部分はいわゆる発癌の原因にもなる環境毒などを顆粒球関係の白血球が処理をした痕で、体にどの位酸化ストレスがかっているかの指標になっています。この患者さんの場合かなりストレスが多くかかっていると思われます。

西浦 美恵子6白い部分=酸化ストレス

また、このケースでは未消化のタンパク質が所々に観察されました。これは血液中のごみで、顆粒球関係の白血球が処理をし最後には活性酸素が発生しますので、免疫細胞が消化活動の続きで使われてしまいます。このような状態が長く続くと免疫細胞関係のバランス的には好中球が増えてしまいますので、活性酸素が増えます。活性酸素が増えると発癌のリスクが上がるのです。ですから、リーキーガットを起こすような食生活やタンパク質の過剰摂取はひかえた方が発癌のリスクが抑えられると思います。

西浦 美恵子9未消化のたんぱく質結晶

この患者さんにもなるべく抗酸化力のある野菜や果物(抗酸化力の高いノニも摂取予定です。)などのアルカリ性食品を多く摂取するようにお伝えしました。

子宮筋腫のある理容師さんの血液観察像

この方は手袋なしで染髪剤を長年扱ってきたそうです。アレルギー体質でアトピーの症状が長期にわたり出ていたそうです。凝固血液像を見ると、重力がかかった下層の層が真っ黒になっています。なんらかの化学物質や重金属の蓄積が疑われます。恐らく職業病ではないかと思われます。この方は子宮筋腫の既往が有りました。染髪剤などの経皮毒は女性の場合子宮に溜まると言いますが、本当ですね!しかしながら、アトピーでアレルギー体質だったので、Th2細胞中心の免疫活動が活発で発癌物質の排毒が上手くいっていた為に癌化しなかったのかもしれません。勿論それについては単なる仮説ですが・・。

伊藤 真由美2014.02.18_L012

アレルギーが癌を増加させる!そんな関係性を示すデータも

それに逆に花粉や植物などの吸入する抗原に対するアレルギーの既往がある女性は、血液の癌のリスクが上昇するというデータも出ています。これは女性に限り言える事みたいです。ご興味が有る方はそちらもチェックしてください。ここに書いてある情報も鵜呑みにせず良く調べてね♪

女性ではアレルギーの既往で癌のリスクが上昇!アレルギーと癌の関係性

まとめ

さて皆様はアレルギーと癌と免疫の関係性についてどんなイメージを持ちましたか?

体に入った発癌物質が原因で接触アレルギーを持つ人は、環境毒の排出能力が高い可能性が有ります。アレルギーを持っている場合、体内の免疫細胞の一種のT細胞のバランスはTh2細胞が多くなっている可能性が高く、それに伴って発癌物質を多く排出出来るのと、癌細胞自体も早期に駆除できるので、癌の発育が抑制される可能性が有るのです。これがアレルギーと癌と免疫の関係性です。

アレルギー症状はつまり環境毒の排出してくれる防御反応だと考えると、アレルギーが癌の発症に対して抑制的に働くというという事も納得できますよね。でもそうした免疫の働きで排毒防御反応を薬で抑えるのってどう思いますか?

熱が出たときに解熱鎮痛剤で熱を下げるのは良くないって聞いた事が有る方かもしれません。その理由は色々有るのですが、主な理由は精神薬に匹敵するほど依存性が強い。解熱作用もあるので免疫力も低下する。胃潰瘍、腎障害の副作用もよく表れるなどと、言われています。個人的には感染症にかかった時などは体は必要が有って、防御の為に熱を出しているのにそれをわざわざ下げる必要性は感じません。

ですので、個人的にはアレルギー反応が出ている時にそれを薬で抑える必要性ってないんじゃないかなって思いますが、如何でしょうか?それよりも、生活習慣を整えたりストレス管理をして免疫力を高めましょ♪そうすると先に紹介した血液像の酸化ストレスのサインの白い部分が減少し、白血球のバランスが整って免疫力が高まると思います。

もし、血液観察をしてみたい方がいらしたら、医院の方にお問い合わせ下さいませ。データ―(もちろん無記名です)をブログの記事などで皆さんにご紹介しても良いと思われる方であれば、今なら無料で観察しております!(私も色々なケースを観察してみたいで、100人観察実施中。)皆様からのご連絡をお待ちしております。

フレンズ歯科クリニックTEL043-287-4182

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