アレルギー治療薬=覚せい剤?ボケの原因?

厚生労働省の花粉症環境保健マニュアルによれば、花粉等が原因となるアレルギーの治療に関しては、最近は初期療法と言って花粉の飛散開始前または症状のごく軽い時から薬物を予防的に服用することで、症状の発現を遅らせたり軽減したりする方法が多くなり、ますます第2世代の抗ヒスタミン薬などが処方される機会が増えてきました。しかしながら、こうした薬物療法は花粉症環境保健マニュアルにも有りますように、原因療法ではなく、対症療法で完全に症状を抑える事は困難だと言われております。

また花粉症等が原因になる鼻炎などのアレルギー症状改善市販薬の、使用頻度も近年増加しています。こうした市販薬には実は覚せい剤の原材料と同じ成分が使われています。だから治療薬には、覚せい剤の原材料として見做されないような工夫がなされているそうです。

ある工夫とは?
(アレルギー治療薬と覚せい剤についての四方山話を読みたい方は、段落「花粉症などが原因のアレルギー症状治療薬の副作用」の「7、アレルギー治療薬=覚せい剤」から、お読みください。)

そして最後には花粉症などが原因のアレルギー治療薬を常用するとボケやすいという四方山話もご紹介します。アレルギー治療薬とボケの関連性を知りたい方は最後の単元をお読みくださいませ。

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花粉症などが原因のアレルギー症状改善薬(抗ヒスタミン薬)の作用機序

花粉症などが原因のアレルギーの治療に良く使われる薬に「抗ヒスタミン薬」があります。花粉症の症状が強い時には鼻粘膜や目の結膜の中でアレルギー反応が起こっています。その反応を起こしている主な細胞が肥満細胞です。この肥満細胞は体内にヒスタミンという物質が貯められています。体の表面にはヒスタミンにくっつくレセプターが沢山有ります。

レセプターが血液中のヒスタミンを受け取ると肥満細胞中のヒスタミンが一気に放出されます。そうすると近くにいた肥満細胞もヒスタミンを放出します。この連鎖反応が急激に進むがアレルギーのメカニズムです。

ヒスタミンは毛細血管にも作用して水分の透過性を高め、血管から鼻粘膜組織に鼻水を出します。花粉症などのアレルギー症状で鼻水などが出ている時に使われる抗ヒスタミン薬は、肥満細胞や血管の細胞のヒスタミンレセプターをあらかじめふさいでおくことで肥満細胞によるアレルギーの連鎖反応を起こしにくくします。

抗ヒスタミン薬はこのように花粉症などが原因のアレルギー症状には大変便利な薬剤です。しかしながら、抗ヒスタミン薬には「鎮静作用」があり、服用すると眠気や集中力の欠如などの副作用がでます。

実はアレルギーの症状を引き起こす原因物質のヒスタミンは、覚せい状態を保つための神経伝達物質です。脳内の神経細胞もヒスタミンのレセプターを持っていて、ヒスタミンを受け取ると、活動性が高まる仕組みになっていますが、抗ヒスタミン薬によって脳内の神経細胞のレセプターがふさがれてしまうと、覚せい物質のヒスタミンが減少し活動性が低下します。

最近は脳内に作用しにくく、副作用が起きにくい第二世代の抗ヒスタミン薬が使われるようになってきましたが、花粉症が原因になっているアレルギー症状の改善の為に抗ヒスタミン薬を使うと、頭がボーっとして授業中に居眠りしたり、仕事に集中できなくなったりもするので、ご注意下さいませ。

それでは、その他のアレルギー治療薬の副作用や気になる話題を見てみましょう。

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花粉症などが原因のアレルギー症状治療薬の副作用や気になる点

1、慢性疲労

花粉などが原因のアレルギーに伴う、鼻水やかゆみ止めとしてジフェンヒドラミン(米国では商品名べナドリルで、花粉症などが原因のアレルギー症状に対する市販薬として売れています。日本では睡眠改善の市販薬ドリエルとして薬局で入手することが出来ます。つまりアレルギーの治療薬として使われている抗ヒスタミン薬は実は入眠薬でも有ります。)が抗ヒスタミン薬として処方されます。この薬剤は抗アセチルコリン作用があり、強い眠気を誘発する副作用が有ります。これらの広汎スペクトルのアレルギー治療の薬剤は、全身に対する作用がとても強く副作用にも注意が必要です。

2、性欲の減退

これはこの薬剤の良く知られた副作用の一つです。抗ヒスタミン薬は疲労感を引き起こし、この薬剤を服用すると多くの人では性欲が減退します。

3、体重の増加

花粉症などが原因となるアレルギー治療薬の抗ヒスタミン薬の女性にとって嬉しくない副作用の一つとして、体重の増加が有ります。抗ヒスタミン薬は副作用として眠気を誘発するので、服用すると運動したくなくなるばかりか、食欲が増進してしまいます。実際にイエール大学の研究では、抗ヒスタミン薬と肥満や代謝疾患との間に関係性がある事が明らかにされています。抗ヒスタミン薬の食欲増進作用は、満腹中枢への刺激がなくなること。グレリンという成長ホルモンが脂肪の燃焼を抑制する事が原因だと言われています。

4、味覚や臭覚などの感覚が鈍る

花粉症などが原因のアレルギーの薬の抗ヒスタミン薬などを服用すると、味がまずく感じたり匂いが分からなくなったりすることも良くあります。皮肉なことにこうした症状が出ると、体のセンサーが上手く働かないのでアレルギーの原因物質を匂いや味を感じる事で回避することが出来なくなります。

5、不妊

花粉症などが原因になるアレルギー治療薬の、女性の不妊に関する研究の情報は限られているのですが、アレルギーの治療薬を服用していると子宮頚部の粘膜が乾燥するような副作用があり、妊娠しにくくなると言うようなデーターも出ています。男性に関しては花粉症などが原因になるアレルギー治療薬の抗ヒスタミン薬を服用していると、精子の動きが鈍くなり妊娠しにくくなることが考えられるそうです。

6、妊婦への影響

不妊に加えてEuropean Journal of Obstetrics, Gynecology and Reproductive Biology 誌に発表された研究によると、花粉症などが原因のアレルギー治療薬の服用と妊娠悪阻の間に関連がある事が分かっています。この研究では254人の妊娠中の女性の約半数以上が抗ヒスタミン薬を服用するとこで、妊娠悪阻の症状がひどくなった事を明らかにしています。

7、アレルギーの治療薬=覚せい剤

またプソイドエフェドリンは花粉症などが原因となるアレルギー症状の鼻づまりの治療薬として使用される薬です。プソイドエフェドリンは覚せい剤の原料になる薬剤で、覚せい作用があります。日本ではこの覚せい剤の原料になるプソイドエフェドリンを含む、店頭販売の鼻炎薬や感冒薬は多くあります。

不思議なことにプソイドエフェドリンを含む花粉症等が原因になるアレルギー性鼻炎の、病院での処方薬は2012年の12月に「ディレグラ配合錠」という薬が承認されるまでなかったそうです。

因みにこのディレグラ配合錠ですが、錠剤中の覚せい剤のプソイドエフェドリンの含有量が10%を超すと覚せい剤原料となってしまうため、錠剤はとても大きく服用が大変そうです。また、覚せい剤の含有量を10%以下にするために添加物の賦形剤を増やしているそうです。

ディレグラ配合薬は同じくアレルギー性鼻炎などにも良く使用されるムコダインと比較すると、錠剤が大分大きいですね!ムコダイン位の大きさにすると覚せい剤の原材料とみなされちゃうのかもしれませんね♪

ディレグラ 

因みに店頭販売されている、この覚せい剤入りの花粉症などが原因になるアレルギー性鼻炎の治療薬には以下のものが有ります。

・アルガード鼻炎ソフトカプセルEX(参天製薬)
プソイドエフェドリン60mg(成人1日量)、15歳から服用可。1日3回。

・エージー鼻炎カプレット(第一三共ヘルスケア)
プソイドエフェドリン180mg(成人1日量)、7歳から服用可。1日3回。

・エスタック鼻炎カプセル12(エスエス製薬)
プソイドエフェドリン120mg(成人1日量)、7歳から服用可。1日2回。

・アネトンアルメディ鼻炎錠(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
プソイドエフェドリン180mg(成人1日量)、11歳から服用可。1日3回。

○カイゲン鼻炎カプセル12(カイゲン)
プソイドエフェドリン70mg(成人1日量)、15歳から服用可。1日2回。

・コンタック600プラス(佐藤製薬、グラクソ・スミスクライン)
プソイドエフェドリン120mg(成人1日量)、15歳から服用可。1日2回。
小児用の場合、成分量は半分で、7歳から服用可。

・パブロン鼻炎カプセルS(大正製薬)
プソイドエフェドリン60mg(成人1日量)、15歳から服用可。1日2回。
小児用の場合、成分量は半分で、7歳から服用可。

・プレコール持続性鼻炎カプセルLX(第一三共ヘルスケア)
プソイドエフェドリン120mg(成人1日量)、7歳から服用可。1日2回。

・ロートアルガード鼻炎ソフトカプセルEX(ロート製薬)
プソイドエフェドリン75mg(成人1日量)、15歳から服用可。1日3回。

それにしても、アレルギーの治療薬の中のプソイドエフェドリンの含有量が10%を超えると覚せい剤になってしまうので、添加物を余計に加えてあえて錠剤の形を大きくしているなんてびっくりしましたよね!!私もそれは知らなかったです。それにしても、覚せい剤入りの薬を服用するのですから妊婦さんでは注意が必要です。服用の際には必ず医師に相談して下さいね。

またアレルギー治療薬の胎児に対する影響はどの程度あるのでしょうか?

この単元はこちらの記事も参照にしています。

アレルギー治療薬の胎児に対する影響

ウィッキペディアによると、プソイドエフェドリン入りの薬剤に関しての胎児危険度分類はオーストラリアでの基準ではB2、米国の基準ではCという臨床データが出ています。また抗ヒスタミン薬として良く使われるアレグラの胎児危険度分類も同じく、米国の基準ではC、オーストラリアの基準ではB2です。それではB2やCとはどの程度の危険なのでしょうか?

胎児危険度分類は医薬品による胎児障害のリスクの見積もりで、妊婦が服用した場合の危険度を想定しています。わが国には公的な胎児危険度分類は存在しないので、臨床では米国のFDAの分類やオーストラリアの分類などが参考にされています。

アメリカの胎児危険度分類Cは以下の様に記載されていて、潜在的な危険性が有るそうです。

「動物実験では胎児への有害作用が証明されていて、適切で対照のある妊婦への研究が存在しないもの。しかし、その薬物の潜在的な利益によって、潜在的なリスクがあるにもかかわらず妊婦への使用が正当化されることがありうる。」

また、オーストラリアの胎児危険度分類B2は以下の様に定義されていて、動物実験などでは不適切な研究結果しかなく、胎児障害の可能性についてはエビデンスがないそうです。

「制限された人数だけの妊婦や妊娠可能年齢の女性によって服用されており、それによって先天奇形の発症率の上昇や、そのほかの直接・間接の有害作用が確認されていない薬物。動物実験による研究結果は不適切なものしかないか、あるいは存在しないが、利用できる資料によれば胎児傷害の増加を示すエビデンスが認められない。」

 

花粉症等のアレルギー治療薬を服用するとボケやすい?

新たな研究で花粉などが原因のアレルギーの薬を使うと、不眠症認知症アルツハイマーなどの疾患のリスクが上昇することが分かっています。。英国のBBC放送でも、抗コリン作用のある薬剤は神経伝達物質のアセチルコリンを中枢神経や末梢神経でブロックしてしまうと警告されました。

ワシントン大学の研究者たちは花粉などが原因となるアレルギーの治療として使っている以下の薬の服用をすぐに中止するように推奨しました。この研究はthe U.S. journal JAMA Internal Medicineに、抗コリン薬の高用量摂取や長期にわたる摂取は、高齢者の認知症のリスクを高くする可能性が有る事が発表されました。

さらなるBBCのレポートを見てみましょう。

研究では高齢者で抗コリン薬を毎日3年以上摂取した場合に限り、認知症の危険性が増加する事が明らかになりました。

全ての薬は副作用を持っていますが、花粉症などが原因になるアレルギーの治療薬の、神経伝達物質をブロックするタイプの抗コリン薬も例外では有りませんでした。

現在の花粉症などが原因のアレルギーの治療薬として用いられる、抗コリン薬の添付書類の注意書きには、ドライマウス、注意力散漫、記憶障害が起こる可能性があるとだけ記載されています。しかしながら、研究者たちは認知症と関連性があるという新たな危険性についても提示する事を推奨しています。

主任研究者であるシェリー・グレー博士は、65歳以上の3434人に対して調査を行ったところ実験開始時には認知症の症状は確認出来ませんでした。研究チームは被験者に対して、平均で7.3年間の経過観察をしました。その間処方箋から抗コリン薬の使用を調査すると、、最も多く使用されていたのは、風邪薬や花粉症などのアレルギー薬、めまいや酔い止め等として処方される抗ヒスタミン薬だったそうです。

また次いでブスコパンなどの様な筋痙攣の治療薬。3番目に多かったのはめまい止めついで少ない割合ではありますが、過活動性膀胱の治療薬や抗鬱剤の処方も認められたそうです。

その結果、その間65歳以上の認知症のない高齢者3434名のうち、23.2%に当たる797名の方が認知症を発症したそうです。またそのうちの637名はアルツハイマー病と診断されました。

つまり65歳以上の高齢者が、3年以上常用量の抗コリン作用のある薬を使用すると、その薬の種別に関わらず、 認知症のリスクの増加が生じる可能性があるという結果が出たそうです。

花粉症などを原因とするアレルギーの、鼻水やかゆみ等の症状の緩和に使われる抗ヒスタミン剤は副作用として抗コリン作用を持っています。抗コリン作用とはアセチルコリン作動性神経の働きが弱め、せん妄状態、記憶障害、注意力障害等の認知症様の症状を引き起こす可能性が有ります。

今回の追跡調査では高齢者に対してでしたが、勿論他の年齢層の方でも抗ヒスタミンの抗コリン作用には注意が必要です。

この単元は以下のサイトを参考に書きました。

https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/290581/

http://www.naturalnews.com/048660_Alzheimers_disease_dementia_over-the-counter_drugs.html

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