輸血の危険性

おはようございます♪

今日も関東地方は暑い一日になりそうです。
さて、今日は医療界の闇を痛快に暴くヒーロー、内海 聡医師のFBで輸血に関するこんな投稿を見かけましたのご紹介。

(転載開始)





































 



内海 さんが近況を更新しました: 「輸血の危険性

純粋に医学的な見地から判断し、輸血を避けて代用液を使用して成功している例が、外国では多数報告されている。ベーリー博士は、「出血による赤血球の激減は、生命をおびやかすものではなく、代用液のほうが血しょうや血液そのものの輸血より実際に有効である」と述べる。

A・J・シャドマン博士は、「私は二万例以上の外科手術を行ってきたが、輸血をほどこしたことは一度もない。私は普通の食塩水を多く飲ましただけである。その方がいっそう良く、また安全である。血を失ったどんな症例にもこれを使ってきたが、死亡例は一つもなかった。チョークのように血の気が失せ、石のように冷たくなっても患者は生きのびてきた」と報告している。このように、輸血を代用液にかえて成功した例はいくらでもある。なのに危険きわまりない輸血が、あたりまえのように行われている。それは二リットルの血液を失えば、二リットルの血液を補充しなければならないという、間違った機械的な医学を信じているからである。

British Medical Journalに掲載された英国のSerious Hazards of
Transfusion

(SHOT)グループの報告によると、1996年から2005年の輸血に関連する有害反応や有害事象の報告3,239例を分析したところ、約10% (321)18歳未満の小児の輸血に関連し、その約半分(147)12ヶ月未満の幼児の輸血に関連していた。2004年の輸血患者の人口に基づく疫学的研究にから、英国では赤血球の4.2%は小児に、1.7%は幼児に輸血されており、有害結果の発生率は成人の13:100,000と較べて、小児は18:100,000、幼児は37:100,000 と推定され、幼児の発生率は成人の約3倍高いとしている。

多くの患者にとって、「輸血は益となるより害となる可能性がある」との研究結果が、8日発行の米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された。研究を発表したのは、ノースカロライナ(North Carolina)州デューク大学(Duke University)医療センター。同大学のジョナサン・スタムラー教授は「輸血が患者にとって有害となる可能性があるという問題は、米医療界が直面する最大の問題の1つだ」と指摘する。 近年の研究で、輸血を受けた患者の心臓発作、心不全、脳卒中などの発生率が高く、死に至る場合もあることが分かっていたが、その理由を特定したのはスタムラー教授の研究が初めて。

また、「輸血は,患者ではなく,医師に左右される」と,医学誌の「アクタ・アネステシオロギカ・ベルギカ」は述べている。こうしたことを考えるなら,ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に載せられた調査報告が,「推定66%の輸血は不適切である」と述べているのも意外ではない。」



     




















      




(転載終了)

そして兵庫県立淡路病院麻酔科の報告書に不適切な輸血の事例が有ったので引用してご紹介します。明らかに過剰な輸血がなされた具体的な事例や、現場の教育不足のため新米医師による過剰な輸血が後を絶たない等の報告も合わせてなされています。リンク先で見ていただいた方が全文を確認できて見やすいのですが、専門的な論文を読まれるのがなれていらっしゃらない方は、私の方で興味を引いた部分を赤字にしておいたのでそちらだけでもチェックして下さいね。普段から情報を集めておいた方がやっぱり良さそうだなと、再度ご確認頂けると思います。

(転載開始)

Japanese Journal of Transfusion Medicine, Vol. 49. No. 6 49(6):767―771, 2003
Table 1
兵庫県立淡路病院における緊急輸血のトリガーポイントと問題点
http://www.jstmct.or.jp/jstmct/Temp/2b3zq1vhp05do2al2ytnkdbr/49-6/049060767.pdf
五嶋良吉1) 近平佳美2)
1)兵庫県立淡路病院麻酔科
2)同検査部
(平成15 年6 月20 日受付) 

はじめに

当院では1994 年6 月に血液製剤の有効利用を
目指してMSBOS1)とType & Screen(T&S)2)を導
入してから外科系の患者に対する輸血件数が大幅
に減少しているが,依然として年間400 人程度(約
900 件)が輸血療法の対象となっている(H13. 12
~H14. 11:赤血球製剤).そして,中には輸血療法
の適応から外れると考えられる輸血例も散見さ
れ,輸血療法に対して何らかの教育,指導が必要
とされる状況にあった.

当院では輸血療法の適応,血液製剤の種類,投
与量などを,研修医ではなく彼らに対して指導的
立場の中堅医師または当該科の責任者が決定して
いる.しかし指導的医師に対するアプローチは単
刀直入なやり方では彼らの反発を招き,かえって
所期の目的に反する結果を招きかねない.
そうし
た状況下にあり,本院では緊急大出血時に対応す
る,安全で無駄の無い血液製剤の利用法を確立す
ることを目的として,2000 年12 月から緊急輸血
症例に対してその是非をチェックし,問題の輸血
に関しては文書で指導すると言うシステムを開始
した.外科系の緊急輸血の審査を筆者が担当する
ことになったが,当院の輸血システムでは血液製
剤搬送の関係などから,予定された輸血は正午ま
でに翌日の使用分を申し込み,それ以外は緊急輸
血として処理される.したがって,慢性の消化管
出血が続く患者への病棟での計画された輸血以外
の大部分が緊急輸血に区分され,輸血審査を受け
ることになる.

方法
当院で現在採択されているシステムでは輸血の
申し込み用紙に以下の項目を記入し提出すること
になっている.患者ID,氏名,生年月日,血液型
(ABO,Rho(D)),医師名,診療科・病棟名,発
行年月日,最低必要単位数,臨時輸血の病態発生
時刻,臨時輸血内訳(濃赤,濃厚血小板,新鮮凍
結血漿から選び,単位数を記入),検査データ(ヘ
モグロビン値,血小板数,プロトロンビン時間,
フィブリノーゲン値)及びその検査の実施日時,
臨時輸血の理由(貧血の進展度(急性,慢性から
択一),その原因,高度血小板減少,高度凝固障害,
その他から択一),臨時輸血の実施(開始予定時刻,
終了予定時刻),担当医師署名.そして2 週間ほど
して,輸血前後の諸検査結果とともに,その輸血
伝票が,輸血前後の検査結果とともに著者のとこ
ろに回ってくる.輸血前のHb 値や血小板数など
から輸血療法の是非を判定し,不適切と思われる
症例に対してはコメントを返すように制度化され
ている.不適切な輸血としてコメントする基準と
して,1)Hb>10 gdl で輸血を開始;2)Hb>13
gdl を越えて輸血を継続;3)高齢者に対する急
速輸血;4)不必要な検査の重複;5)輸血前後の
検査の不備;などが挙げられる.輸血担当医師は
そのコメントに異議を挟むこともでき,時にディ
スカッションとなることもある.
以上に述べたような背景から,当院における輸
血療法(赤血球輸血に限定して)開始のトリガー
ポイント及び,輸血療法によって到達したHb 値
を調査した.また,何らかの法則性などがあるか
どうかをも調査の対象とした.

結果
輸血療法の対象となった患者の年齢は69±18
歳(平均±標準偏差:以下同様),一回の輸血療法
で投与した赤血球製剤は4.9±4.9 単位,輸血のト
リガーHb 値は7.3±2.2(gdl ),到達Hb 値は8.8
±2.0(gdl )であった.この結果の科別の内訳は
Table 1 に示すとおりである.
この中で,個別に見ると外科と整形外科の間に
は輸血のトリガーHb 値に統計学的有意性が認め
られた(p<0.001).また輸血前後のHb 値を科毎
に調べると,産婦人科が最も低いHb 値となって
いた(p<0.22).
一方科毎の輸血効果(Fig. 1)を見ると,外科と
脳神経外科がほぼ同一の傾向を有し,輸血開始の
トリガーポイント,輸血による到達Hb 値もほぼ
同一の値をとっていた.整形外科はトリガーポイ
ント,到達Hb 値ともに前者より低値で,産婦人科
は輸血開始に至るまでに貧血の進行度が大きく,
目標となる到達Hb も低めに設定されていた.し
かしこれらに統計的な有意性はなかった(p=
0.35).
不適切輸血例としてコメントしたのは12 月か
ら3 月までは各月1 例,4 月に3 例,5 月1 例,6
月2 例,7 月4 例,10 月1 例であり,外科系の人
事異動と関連づける事ができた.
そのコメントの一例を以下に引用する.
12 月31 日にXXXX 氏になされた輸血は不必
要なものです
.その理由を以下に記します.
まず,以下に記すことは添付の時系列報告書に
ある,12 月31 日のデータが輸血前のものである
ことを前提にした議論であることを踏まえておい
てください.

患者の体重,体型が不明なのでここで展開され
る推測は相当の誤差を含むものですが,なおかつ
輸血は不適切であったと考えます.輸血前に患者
のHb が13.4gdl であること,翌日のHb が17.1
gdl であることから,輸血された8 単位の血液の
ほとんどが,出血による不足分の埋め合わせでは
なく,無用に追加された血液であると考えられま
す.
患者が小柄で循環血液量が仮に3,000ml ほど
しかなかったと想定しても(体重を43kg,循環血
液量を体重の7% と仮定した場合),ここに8 単位
分の赤血球が投与されたとき,患者に全く出血が
無かった場合のHb の増加は約8gdl になり,実
際の増加が4gdl 弱であることから出血量は
高々4 単位分ほどだったということになります.
あと少し体重があれば推測される出血量はもっと
少ないものになり,86kg のヒトであればほとんど
出血は無かったという計算結果になります.
では4 単位分の出血に対して輸液(含代用血漿)
で対応した場合,最終的にHb がどの程度の値に
なるかというと,これも推測で体重依存性ですが,
出血が止まるまで輸液をせずにぼんやり観ていて
止血後に輸液を開始したとすればHb の値は9.8
gdl 程度(これも体重が43kg を想定していま
す),大柄なヒトであればHb が10gdl を切るこ
とすらなかったのです.出血中から輸液を行って
いればHb の低下はさらに少なくなっているはず
です.
現在アメリカの輸血学会では心臓血管系,
呼吸器系に問題が無ければHb>7gdl では輸血
の適応なしとしています.

また過剰輸血で前負荷がかかると心不全を促進
することになり,心血管系に異常があったかもし
れないとのexcuse は成り立ちません.したがっ
てこの症例ではどのような観点から見ても輸血を
したことの正当性は見出せないと断ぜざるを得な
いのです.

出血している患者については,Hb の値から出
血量を推測することは困難で,数々の経験を踏ん
でこないと出血量の評価が精確には出来ません.
骨折などで大出血していても,細胞間質から血管
内への水分の補給はワンテンポ遅れる事と,補給
量に限りがあることから,Hb はさして低下しま
せん.輸液されてはじめて低下するのです.した
がって,頻脈(これも痛い,怖い,などの心理的
な要因で装飾されるので絶対的な指標にはならな
い),血圧,時間尿量,末梢冷感,capillary filling,
輸液への血圧の反応性などで判断する事になりま
す.
この患者に8 単位の輸血を行ったことは,検査
データから判断すると患者のただならぬ様子にパ
ニックを起こして過剰に反応したと
見られてしま
います.もっと冷静に対応してください.

文責:麻酔科五嶋』

考察
輸血は20 世紀初頭にABO 型が発見され,飛躍
的に安全性が増すことにより,一般的な医療とし
て定着してきた.外傷などによる大量出血時には,
輸血が最終的にほとんど唯一の対処法といってよ
く,特殊な病態を除き厳密な輸血量のコントロー
ルなどを必要とせず輸血の有効性が実感できる.
したがって,輸血療法を実施する上で特別に深い
知識と技術を要求されることはまれで,また,北
米を中心として一時ヒステリックに叫ばれた
「one bottle transfusion」忌避の動き3)などの受け
売りも見られ,地域によっては今日にいたるまで
適正な輸血療法を実施する上で大きな障碍となっ
ている.
輸血療法は貧血や失血に対する一般的な対症療
法として定着している.そのため,大多数の施設
で,ほとんど厳密な指導なしに経験的に輸血療法
を実施する.
特に外科系の輸血においては喪失し
た血液成分をそのまま補充するという考え方に一
見したところ合理性があるように見えることか
ら,旧来の輸血のあり方がそのまま残っており,
輸血療法における安全性やコスト,血液製剤安定
供給の問題などが未解決のまま残されている.
当院では,1994 年に院内採血による輸血を中止
し,同時にMSBOS1)とT&S2)を開始し,また各種
血液製剤使用にあたって厳しい制限を設け,過剰
な,もしくは不適切な血液製剤の使用に対して厳
しい対応をしてきた.
しかし,止血の困難な症例
に対して院内採血による新鮮血を輸血したいとの
希望も根強く残っており,他の病院で輸血に対す
る異なるスタンスを取ってきた,新任医師による
不適切輸血も後を絶たず,対応に苦慮することも
少なくなかった.

2000 年12 月の半ばから,輸血に対する監視の
目を光らせることを目的として,緊急輸血症例に
対する審査を開始した.輸血前日の正午までに申
し込むことのできなかった輸血症例について審査
担当者がすべて審査するというもので,不適当と
認められる輸血例に対しては,指導的なコメント
をつけるというものである.そして1)Hb>10 g
dl で輸血を開始;2)Hb>13 gdl を越えて輸血
を継続;3)高齢者に対する急速輸血;4)不必要
な検査の重複;5)輸血前後の検査の不備などを
その不適切輸血の基準として設けた.ここで輸血
量不足に関連する項目がないのは,当院で今まで
担当医の決定した輸血量が臨床的に不足したとい
うことで問題となったことがないからである.
輸血申込書に必要事項を記入しサインするのは
研修が終わったばかりの若手医師であることが多
いわけだが,輸血の指示はもっと上の中堅医師か
ら出されていることが多く,こうしたコメントに
中堅医師またはその科の責任者が応じてくる.そ
して,一単位の輸血が患者のHb をどの程度押し
上げるのか,それが患者の体重とどう関係してい
るのか,また高濃度酸素を投与することで動脈血
の酸素含量がどの程度増加し,それが酸素運搬能
の増加という意味でHb をどの程度持ち上げる効
果と等価であるのかといったことが身近なところ
で議論されるようになり,少しずつ輸血療法に対
する当院医師たちの対応が変わってきているよう
に思われる.
輸血は血液型のミスマッチさえなければ,よほ
ど極端なことをしない限りそれが原因で死亡する
ことはなく,輸血施行者の技術的な差が患者の予
後に反映されにくいことから,特に外科系医師の
輸血学への興味を喚起するには今の学部研修,卒
後研修の環境では困難であり,何らかの有効な対
策が望まれる.
その対策とは,ひとつには輸血の副作用,潜在
的なリスクを自覚させることであり,輸血量を減
らすことをひとつの技術として学習させる
ことで
あろう.手術中の輸液に,予後に対する明らかな
技術的差異が存在し,術中麻酔管理方法(麻酔担
当者)と術後肺水腫の発生頻度との間に一定の相
関が認められる事は当院の術者サイドから指摘さ
れている.Hypervolemic hemodilution による輸
血量抑制と術後肺水腫の発生を抑えることは一見
相反することのようであるが,ある程度まではあ
まり無理をせずに実施可能である.これは輸液・
輸血学が,臨床各科におけると同様うに,臨床的
な技術に立脚していることを意味しており,こう
した技術的な面が評価されるような方法を模索し
ていくことが輸液・輸血療法の安全性を高めてい
くに当たって必須の事と考える.
結語
1.2000 年12 月から緊急輸血症例に対してそ
の是非をチェックし,問題のある輸血に関しては
文書で指導するというシステムを開始した.
2.一回の輸血療法で投与した赤血球製剤は4.9
±4.9 単位,輸血のトリガーHb 値は7.3±2.2(g
dl ),到達Hb 値は8.8±2.0(gdl )であった.
3.本院においても旧来の輸血のあり方が一部
そのまま残っており,輸血療法における安全性や
コスト,血液製剤安定供給の問題などが未解決の
まま残されている.

文献
1)Friedman, B.A., Oberman, H.A., Chadwick, A.R.,
Kingdon, K.I..:The maximum surgical blood order
schedule and surgical blood use in the United
States. Transfusion, 16:380―387, 1976.
2)Boral, L.I., Henry, J.B.:The Type and Screen. A
safe alternative and supplement in selected surgical
procedures. Transfusion, 17:163―168, 1977.
3)Allen, J.G.:The case for the single transfusion.
New Engl. J. Med., 287:984―985, 1972.

(転載終了)

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